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ニュースまとめ「CBDC・中央銀行デジタル通貨を知る! 世界が発行を準備している」

2020/11/08

CBDC・中央銀行デジタル通貨を知る!世界が発行を準備している!

CBDC・中央銀行デジタル通貨を知る!世界が発行を準備している!
 
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1.中央銀行デジタル通貨、CBDCとは何か?
2.CBDC議論が進んだ経過と発行の目的
3.世界初のCBDC「サンドダラー」
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1.中央銀行デジタル通貨、CBDCとは何か
CBDCとは「Central Bank Digital Currency」を約した名称です。このCBDCとは何か?ということについて、実際に発行母体となる日銀の説明を見てみましょう。
(日本銀行HP:「教えて!にちぎん」より引用)https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/money/c28.htm/
 

一般に「中央銀行デジタル通貨(CDBC)」とは、次の3つを満たすものであると言われています。(1)デジタル化されていること、(2)円などの法定通貨建てであること、(3)中央銀行の債務として発行されること。
 
中央銀行は、誰でも1年365日、1日24時間使える支払決済手段として銀行券を提供していますが、これをデジタル化してはという議論があります。
現金を代替するようなデジタル通貨を中央銀行が発行することについては、具体的な検討を行っている国もありますが、民間銀行の預金や資金仲介への影響など検討すべき点も多いことなどから、多くの主要銀行は慎重な姿勢を維持しています。日本銀行も、現時点において、そうしてデジタル通貨を発行する計画はありません。
 
一方で、中央銀行の当座預金という既にデジタル化されている中央銀行の債務を、新しい情報技術を深く理解する観点から、調査研究や実証実験などの取り組みを行っています。日本銀行では、欧州中央銀行と共同で分散型台帳技術と呼ばれる新しい情報技術に関する調査(プロジェクト・ステラ)を実施しており、その結果を報告書として公表しています。

 
簡単に言うとCBDCとは「法定通貨をデジタル化したもの」ということです。仮想通貨、又は暗号通貨と呼ばれるものは、デジタル化してはいますが、法定通貨ではありません。仮想通貨はドルや円といった法定通貨と比較すると、価格の変動が激しく、その実用性には課題があると言われています。
 
一方、CBDCは法定通貨であるため、ドルや円と同じ扱いとなります。同じデジタルの通貨であっても、CBDCはその安定性が違うということになります。
 
 
2.CBDC議論が進んだ経過と発行の目的
主要中央銀行が、CBDCの研究を本格的に始めるきっかけとなったのは、民間デジタル通貨「ビットコイン」の登場でした。ブロックチェーン技術に基づくこの暗号資産が支払手段に広く利用され、各国の現金や銀行預金を代替する、また国境を越えて流通することで生じる様々な影響を各中央銀行は懸念し、ビットコインを迎え撃つ狙いから、CBDCの発行を検討し始めたのです。
 
①当初、進んでいたスウェーデンの「E-krona(イークローナ)」構想
スウェーデンの中央銀行のリスクバンクは2016年に「E-krona(イークローナ)」構想を正式に表明し、2017年にはその導入に向けた3段階の工程表を公表しました。
 
スウェーデンは非常にキャッシュレス化が進んだ国です。スウェーデンの現金発行額は対GDP比でわずか1.3%(18年)と、日本の約20%と比べると格段に小さいことが分かります。
 
スウェーデンでキャッシュレスが進んだ背景には、現金利用に伴う脱税の抑制、現金発行や輸送に関わるコストの削減、銀行強盗など犯罪抑制の狙いから、政府、中央銀行、民間銀行の3者が協力してキャッシュレス化を進めていったことがあります。
 
中でも、現金の輸送コストの増大は日本でも起きる可能性があります。スウェーデンは人口密度が低い国です。国土は日本の面積よりも大きいのですが、人口は日本の1割以下の900万人超です。人々が離れて住んでいる中、民間銀行が現金配送コストを節減するために「スウィッシュ」という電子決済システムを作り、それが広く普及するようになりました。
 
日本でもスウェーデンのように現金の利用が減れば、減るほど、地方など遠隔の場所の現金輸送コストが負担となる可能性があります。
 
スウェーデンでは、ITに不慣れな高齢者などにも使いやすいモバイル決済手段としてリスクバンクが自ら開発することを計画し始めたのです。
 
ただ、スウェーデンではCBDCの発行についての慎重な議論が、今もなお続けられています。2020年11月のこの記事の執筆の現在は、まだいつ発行を決めるのかはわからない状況です。
 
②リブラ計画の発表
2019年6月にフェイスブックが打ち出したリブラ計画は、CBDCの議論を一気に加速させました。
 
リブラは世界の総人口の37%(2018年)が利用するフェイスブック関連アプリ上で利用でき、また主要通貨バスケットに連動し価値が安定したグローバル通貨として設計されました。
 
世界中で支払手段に利用される条件を備えていたことで、各中央銀行はビットコイン以上にその弊害を強く警戒し始めました。
 
リブラ計画に最も強く、そして素早く行動したのは中国でした。中国の中央銀行である人民銀行は、2014年にデジタル人民元の研究を始め、2016年には中期的に発行する構想を明らかにしていました。しかし、リブラ計画の発表を受けて、2019年には「近い将来発行する」との考えを突如打ち出しました。リブラが中国国内や近隣諸国で利用されることを警戒し、それに先手を打ちリブラを撃退するために、デジタル人民元の発行計画を前倒しにしたのだと思われます。
 
③デジタル人民元
中国が人民元の発行を急いでいる感があります。それは、リブラへの対抗ということだけではありません。デジタル人民元構想の元々の目的は、人民元の国際化です。
 
米国との対立が強まる中、人民元の国際化を加速させ、米国の通貨・金融覇権に挑戦する狙いがあると考えられています。
 
中国が人民元の国際化を目指すのは、米国が国際間でのドル建て決済の大半に用いられるSWIFT(スイフト)と米銀を通じて、世界の資金の流れの相当部分についての情報を握っているからです。
 
このSWIFT(スイフト)を中心とした国際決済のシステムは米国の安全保障上の優位を支える役割も担っているものです。さらに米国は、テロ指定国などへの経済制裁の実効性を高めるために、SWIFT(スイフト)を頻繁に利用します。
 
例えば、米国の経済制裁の対象となった国で、企業が制裁逃れを図り外国企業とこっそり貿易を行おうとしても、その国の銀行をSWIFT(スイフト)のネットワークから外せば資金決済ができないため、貿易は難しくなります。
 
IMF(国際通貨基金)によると、中国の輸入に占めるドル建て決済比率は92.8%と、主要国中で最高水準にあります。仮に将来、中国が米国の経済制裁の対象とされ、中国の銀行がSWIFT(スイフト)から外されれば、ドル建ての決済比率が高い中国の貿易は成り立たなくなります。中国の輸入に占めるドル建て決済比率の高さは、米国との対抗上、大きな弱点となっているのです。
 
そこで、一帯一路周辺国など中国の友好国においてデジタル人民元の利用を強制し、新たな中国経済圏と共に人民元経済圏を構築すれば、この弱点は克服されていきます。デジタル人民元の国際決済には、SWIFT(スイフト)のネットワークは利用されないからです。
 
2020年10月には多くの市民がデジタル人民元を実際に利用する実験が深圳で行われました。市内在住の5万人に対して、一人当たり2000元(約3000円)、総額1000万元(約1億5,000万円)に上るデジタル人民元が配られ、市内スーパーや飲食店、ガソリンスタンドなど約340店舗で1週間にわたって利用されました。
 
中国では着々と進んでいるといってよいでしょう。
 
④ECBが発行を計画するデジタルユーロ
ラガルド総裁は2019年12月に、実証実験を20年半ばまでに行う考えを示しました。現在では、21年半ばにかけて発行の是非を示す方針です。
 
ECBは、グローバルに用いられるリブラなどのグローバル・ステーブルコインやデジタル人民元が既存通貨との裏付けによって価値を安定させ、ユーロ圏内や周辺国で広く用いられ、域内の金融システム、金融政策、国際資金フローに悪影響を与える、あるいは国境を越えてマネー・ロンダリング(資金洗浄)などの犯罪に利用されることを強く警戒したのです。
 
また、中国人民銀行が、CBDCで先駆者となり、国際標準を確立することも強く警戒しています。このことはECBだけではなく、G7でもデジタル人民元に対する警戒を強めています。中国がCBDCで最先端の技術を開発し、世界標準を作り上げてしまうことで、ドルの通貨覇権が揺らぎ、ドル暴落などの事態を招くことを恐れています。
 
ただ、人民元のように、為替管理をしている通貨は、デジタル化したところで、国際的な機軸通貨にはなりえないという指摘もあります。例えば、ある中国外の事業者が人民元で決済を受け入れて、人民元が資産に占める割合が多くなったとき、突然通貨の切り下げが起きれば大損するリスクがあるためです。
 
⑤日本のCBDCの議論
日本の政府・与党内でもデジタル人民元に対抗して、経済安全保障上の観点からCBDCの発行を検討する必要があるとして、議論は高まっています。
 
ただ、日本の経済安全保障上の懸念は薄いと思われます。日本でデジタル人民元の流通が進むとは思えませんし、日本がCBDCを発行しても、ドルの通貨・金融覇権を守ることは出来ないからです。
 
日本のCBDCの発行を進める最大のメリットは他国に大きく遅れているキャッシュレス化の促進ではないでしょうか。信用力が極めて高い中央銀行がCBDCを発行すれば、キャッシュレス化を大きく促すことになると思われます。
 
3.世界初のCBDC「サンドダラー」
バハマの中央銀行が独自のブロックチェーンベースのCBDCスタートさせました。サンドダラーは法定通貨バハマドルのデジタル版として機能します。
 
カリブ海の700余りの小さな島からなるバハマは、特に自然災害などで現金に依存できなくなる状況を想定して、デジタル通貨の計画を進め、昨年から小規模な運用実験も行っていました。
 
昨年の9月には、ハリケーン「ドリアン」によって銀行も壊滅的打撃を受け、一部の島で操業停止に追い込まれた出来事がありました。
 
万一、このような状況においても、デジタル通貨であれば、物理的に現金を移動させたりする必要もなく、人々が銀行に足を運ぶこともなく、決済システムが稼働します。そのため、このCBDCの発行には意義があるとされ、期待されています。
 
日本のように現金が信用され、金融システムも普及し、安定している国では、早期のCBDC発行の必然性は薄いとは言えますが、世界では信用できるデジタル通貨を様々な理由で必要としている国があります。
 
もしかしたら、信用のできるデジタル通貨であるCBDCの発行は歴史の必然なのかもしれません。次回、CBDCは歴史の必然ではないかということをお届けします。
 
 
本日はここまで。ありがとうございました。
 
中小企業の未来創造パートナー
宮野宏樹
 
 

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